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愛知県の公聴会(11月9日)での公述要旨 こちらをご覧ください→ toppage1.htm
設楽ダム建設計画環境影響評価準備書の問題点
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解説) 設楽ダムアセス準備書の基本的な問題について 文責 市野和夫 2006.06.30項目 |
準備書・説明パンフ記述 |
問題点 |
ダム建設の目的 1 洪水調節 |
戦後最大洪水程度の洪水では、新城市石田の基準点で約 550m3/秒の洪水をカットし、150 年に1回の大洪水が起きたら、基準点で約1000m3/秒の洪水をカットする効果がある。 |
戦後最大洪水程度の洪水ならば、遊水地部分の浸水はもちろんあるが、現在の河道整備状況で安全に流下できる。豊川水系整備基本計画のいわゆる基本高水流量・・・ 150年に1回あるとされる7100m3/秒の数字については、流域委員会でこれが妥当であるとの結論は得られていない。このような大規模洪水がおこれば、設楽ダムができたとしても大きな被害が避けられない。ダムに頼らない洪水対策を充実することが大切である。 |
ダム建設の目的 2 新規水資源開発 |
設楽ダムによって、農業用水および水道用水を合わせて 0.5m3/秒の新規取水を可能とする。豊川の渇水発生状況として毎年のように取水制限があり、平均して年間 110日も水利用に支障をきたしている。 |
2001 年に豊川総合用水事業が完成して以降は、顕著な水余り状態になっている。今後、人口減少が始まり農業用水も水田稲作の減少が進んでいるので、新規利水の必要はない。国交省作成のパンフ4ページのグラフから読み取ると、 2000年以降は、年平均取水制限日数が50日に満たない。国の説明は、このことを述べていないのはなぜか。 |
ダム建設の目的 3 流水の正常な機能の維持 |
大野頭首工下流の瀬切れ、牟呂・松原頭首工下流の渇水時の低流量を改善する。 準備書:利水安全度をおおむね 1/4から1/10に(すなわち4年に1度は酷い渇水に見舞われる状態から、10年に1度程度に)向上させ、安定した取水を可能にすることで、流水の正常な機能の維持を図るものとする。 |
宇連ダムを水源とする豊川用水の宇連川大野頭首工からの取水にさいして、河川維持流量をゼロとしてきたことに問題があるのであり、その問題を解決するために、これまでのダムをはるかに上回る巨大ダムを建設するというのは、本末転倒もはなはだしい。 利水安全度をおおむね 1/4から1/10に向上させるという課題はすでに2001年の豊川総合用水事業の完成で、基本的に達成されているはずである。設楽ダムによって4年に1度の渇水を10年に1度に緩和するという利水安全度の説明はうそである。 |
設楽ダムの規模 |
集水面積 約 62.2km2貯水面積 297ha総貯水容量約 9800万m3有効貯水容量約 9200万m3洪水調節 約 1900万m3流水正常 約 6000万m3新規利水 約 1300万m3 |
準備書 3−3によれば、ダム付近の年平均降水量2250mmであり、62.2km2の集水面積と降水の3分の1が蒸発散することを考慮すると、年間の降水をすべて蓄えたとしても9300万m3であり、かろうじて満水となる程度で、なぜこのような狭い集水域に巨大ダムを計画するのか理解できない。また、ダムの有効貯水容量の 65%が「流水の正常な機能維持」すなわち不特定容量のために割り当てられるという前代未聞の不要不急なダム計画である。 |
堆砂問題 |
パンフ:堆砂容量が 600万m3とされている。説明会では、100年間に溜まる土砂の量である。貯まった砂を下流に流す計画はない。 |
豊川上流域の宇連ダムの堆砂容量は 69万m3、大島ダムのそれは100万m3とされているので、この3ダムを合わせると約770万m3の土砂流下が妨げられることとなる。これらの他に、流れダムとみなすことができる大野頭首工、寒狭川頭首工、牟呂・松原頭首工上流の湛水域にも土砂堆積があることにも注意が必要である。 |
環境調査の内容および調査地域について |
準備書には三河湾への影響について全く記述されていない。説明会での質問に答える中で、事業者は設楽ダム集水面積は、三河湾集水面積の 2%に過ぎないからダム建設による影響は無視できると答えた。 |
事業者は、集水域の面積比を調べただけで、調査区域に三河湾を含めないという決定をしているわけで、これは論外である。「集水域の 2%の面積のダムは下流への影響は軽微であり、環境影響を調査しなくてよい」というこの論理を認めるなら、集水域の2%のダムを次々造り続けたとしても個々のダムは影響が軽微なのだから、50個の同規模のダムの集水域によって陸域がすべて覆われたとしても影響はないことになる。 |
(解説)設楽ダムアセス準備書の基本的な問題について−その2 文責 市野和夫 2006.07.07
第4章「方法書についての意見の概要と事業者の見解」部分について
意見 |
事業者見解 |
問題点 |
事業目的及び内容の記述を充実するように求める。 |
H.13.11.28 策定、H.18.4.6一部変更の「豊川水系河川整備計画」、および、H.18.2.17全部変更の「豊川水系における水資源開発基本計画」で位置づけられている。 |
アセス手続きが開始され、方法書が確定した後で、事業目的・内容の基本となる河川整備計画(治水・環境)、水資源開発基本計画の一部および全部変更が行われており、事業計画そのものの抜本的な見直しが必要であり、環境影響評価手続きは当然ながら初めに戻ってやり直すことが必要である。 |
地域特性について記述を充実させるよう求める。 |
H.13.11.28 策定、H.18.4.6一部変更の「豊川水系河川整備計画」、および、H.18.2.17全部変更の「豊川水系における水資源開発基本計画」で位置づけられている。(三河湾浄化への取り組みも含む) |
アセス手続きが開始され、方法書が確定した後で、事業目的・内容の基本となる河川整備計画(治水・環境)、水資源開発基本計画の一部および全部変更が行われており、事業計画そのものの抜本的な見直しが必要であり、環境影響評価手続きは当然ながら初めに戻ってやり直すことが必要である。(三河湾浄化などの記述はなく、豊川放水路に赤潮が発生するという記述があるのみである。) |
豊川河口部や三河湾への影響を調査項目に入れ、三河湾まで調査範囲を広げることが必要である。 |
下流では布里地点などにおいて予測・評価を行った。環境保全措置を行うことにより、影響は小さいと評価している。 |
方法書に対する住民意見 66通のうち過半数の37通(56%)が、三河湾まで調査範囲を広げることが必要であるというものであった。河川事業が下流の海に影響を及ぼすことは、海洋学者宇野木早苗博士の論文や著書で明白であり、事業者は、どのような予測と評価をしたのか、その内容を具体的かつ詳細に明らかにしなければならない。 |
ダム堆砂について影響評価するべきである。 |
必要な堆砂容量を確保しているので、除去はしない。 |
矢作川や天竜川など、中部地方整備局管内の河川ダムでも、堆砂が大問題となっているのに、設楽ダムはその対策は全くなくてよいとは考えられない。 |
豊川用水・総合用水事業など、過去の事業の累積的な環境影響を考慮するべきである。 |
法律に基づき適切に判断した。 |
環境基本法や、環境影響評価法が制定された背景、法の精神に基づいて、これ以上の自然破壊、環境破壊が進まないようにするという姿勢が事業者に見られない。 |
フルプラン(豊川水系の水資源開発基本計画)見直し後に事業計画を見直し、アセス手続きをやり直すべきである。 |
法 25条の「事業内容修正の場合の…手続き」に該当しないと考える。 |
フルプラン(豊川水系の水資源開発基本計画)は全部改訂が行われ、新規水資源開発は大幅に下方修正されており、この見直しが適切に事業計画に反映されておれば、事業内容ばかりでなく、新規利水の取り止めなど、事業目的の変更にもつながる。法 25条の規定により、環境影響評価手続きをはじめからやり直すことが必要である。 |
◎ 事業者のパンフに重要な記述あり!
ダム工事事務所がアセス準備書閲覧者に配布したり、説明会で使用している
パンフレット「自然に優しい設楽ダム建設をめざして」の4ページに重要なデータが
載っています。
渇水状況についてのグラフですが、平成13年までの10年間の取水制限日数の
年平均値が他の水系と比較して豊川水系はダントツに大きく110日となっています。
ところが、その下のグラフには、豊川水系の近年(平成12年以降7年間)の取水
制限日数が示されており、このグラフでは、平均が40日台になっていることが読み
取れます。平成12年(西暦2000年)は豊川総合用水事業が完成した年です。
設楽ダム事業の建設を進める事業者は、総合用水事業によって、豊川水系の渇水
状況が大きく変化したにもかかわらず、このことを伏せて、建設計画を進めています。
パンフレット「自然に優しい設楽ダム建設をめざして」は事業者のホームページに全文載っています。
URL: http://www.cbr.mlit.go.jp/shitara/
設楽ダム計画に戻る damplan.htm 意見書例 ikenshorei.htm TOP:index.htm