設楽ダムの疑問点
2006/07/28
なぜなの? 巨大な設楽ダム!
洪水調節容量1900万m3は大きすぎる。
1900万m3を集水域面積62.2km2で割ると、降水量がm単位で求まる。
19000000m3 ÷ 62200000m2 = 0.305m
すなわち、305mmの雨を貯めこむ大きさである。
豊川水系河川整備計画では、新城市石田地点で7100m3/秒(基本高水流量150年確率)の洪水を上流で3000 m3/秒抑制するとしている。設楽ダム計画はそのうち1000m3/秒を受け持つとしているだけで、残り2000 m3/秒について調節する他のダムは計画されていない。
したがって、設楽ダムに洪水調節のための巨額の資金をつぎ込んでも、雨の降り方しだいで下流の洪水ピークを抑えられないことも起こるので、下流の洪水調節のために確実に役立つとはいえないのである。一般に上流のダムによる洪水調節に頼りきることは、洪水被害の抑制にはならず、危険でさえある。
洪水調節容量が300mmを超える設楽ダムの計画は異例である。これは、洪水対策として、設楽ダムに集中投資することを意味し、その分、下流の洪水対策が手薄にならざるを得ないのではないかと考えられる。
この視点からみると、巨大ダムを造るから安全になるというやり方ではなく、ダムは存在しない、もしくは小さなダムだから、「常に洪水発生の可能性があるので危険に備える」という意識を下流の住民に喚起しておいた方が、防災の実を上げることができる。
(設楽ダムが150年に1度おきるかどうかわからない大洪水に対応する規模で計画されても、豊川水系全体の洪水対策は不完全なので、当面は、水系全体として戦後最大規模の洪水に対応できるものとするのが現実的な選択である。)
利水の疑問?
10年後も水余り見通しであり、新規利水開発は不必要である。
2001年に豊川総合用水事業が完成した後、10年後の需要予測では水余りの状況になっているので、新規水需要なしとするべきである。水道用水・工業用水は水余り、農水はフルプラン改訂時の見積もりでは不足するとなっているが、総合計では水余りである。
20年に2番目の渇水時にも供給できるよう余裕を持たせるという理由で、新規利水毎秒0. 5 m3/秒を盛り込ませたが、その必要はない。
水道水 (供給可能量)−(需要見通し量)= 0.737 m3/秒 (水余り)
工業用水 (供給可能量)−(需要見通し量)= 0.661 m3/秒 (水余り)
農業用水
(供給可能量)−(需要見通し量)= −0.339
m3/秒 (不足?)
合計
1.059 m3/秒 (水余り)
「流水の正常な機能維持」6000万m3に関する疑問?
牟呂松原堰下流の5m3/秒の維持流量にどれだけの水が必要か?
1995-1996年は異常な渇水として騒がれた年であるが、冬季を除いて、当古地点で5m3/秒を下回って水補給を必要とする期間は95年で1ヵ月半、96年では3ヶ月弱であり、せいぜい3ヶ月しかない。
冬季については、もともと豊川の流量は少なく、水需要も大きくない時期であり、5m3/秒を下回っても補給は必要ないばかりか、冬季に流量を大きくすることは不自然なことになる。
したがって、3ヶ月間、5 m3/秒に足りない部分を補充するとして、その必要量をざっと計算してみると、(平均で1.5 m3/秒足すと5 m3/秒を上回るとして、)
維持流量に必要な水量
= 90×24×60×60秒×1.5
m3/秒
= 1170万m3
(約1200万m3 )
(なお、ここでは流量年表に載っている当古地点のデータを使った。牟呂松原堰から当古までの間に、宇利川、宝川および間川の3支流が合流するので、堰直下流とは、少し違いがあるが、大筋はこれでよいであろう。)


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